盲目的に信じ込んだり崇拝したりすること自体が仏陀の教えに背くものなのです。仏教は一貫して「法に依りて人に依らざれ」という法則を唱えています。特に密教の場合は、上師(ラマ)のことを正しく見極めることが強く要請されています。これはほかならぬ「法に依りて人に依らざれ」を具体的に現しているのです。
四依法
一、法に依りて人に依らざれ。智慧に依拠して、人(知識)に依拠しない。
二、義に依りて語に依らざれ。意味に依拠して、文辞に依拠しない。
三、智に依りて識に依らざれ。真理(法性)に依拠して、人間の見解に依拠しない。
四、了義経に依りて不了義経に依らざれ。仏の教えが完全に説かれた経典に依拠して、真実の道理を直接はっきりと説かない、方便のための教えに依拠しない。