あなたの未来の道が、このダルマの灯明で照らされんことを

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2024-05-10
作者: ジグメ·プンツォク·リンポチェ口述、ケンポ·ソダジ·リンポチェ翻訳·編集
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「不離」

ジグメ·プンツォク·リンポチェ口述

ケンポ·ソダジ·リンポチェ翻訳·編集

 

この現代社会において、これほどまで人の心を啓発する教戒を見聞することは難しい。ご縁あって、今ここで目にされる方々が、この本にまとめられた教戒を大切にされんことを。皆さまの未来への不滅の灯とならんことを。

 

著者紹介:

ジグメ·プンツォク·リンポチェ(1933-2004)は、チベット仏教再興の一時代を築いた世界的な仏教僧·学者·成就者。同師が1985年に設立したラルン五明仏学院は、現 在、世界最大の仏教センターとして認知されている。同センターには、僧俗の弟子が波の如く押し寄せ、社会的に影響力のある仏教の博士(ケンポ)や修行者達も彼の弟子となった。

1990年代以降、世界に仏法を広めるためにヨーロッパやアジアを歴訪し、多くの有縁の人々に仏法の説き、彼らを教導した。

同師は、常に寸暇を惜しまず、人々に利益をもたらす方法を考え、行動した。あたかもバターランプの如く自ら燃焼して光を放つことで、一切衆生が苦から解放されるための道が照らされるように。

翻訳者紹介:

ケンポ·ソダジ·リンポチェは、多くの人々を益するために一年を通して世界を旅し、仏陀の教えの教授、実践的な修行の指導等、精力的な活動に従事している。特に各国の大学教授陣や学生達との交流を重視し、清華大学、北京大学、香港大学をはじめ、ハーバード大学、ワシントン大学、コロンビア大学等、各地の数多くの研究機関と交流してきた。

また、より多くの人々に仏教の本質を理解してもらう為、仏法の教授に励む一方で、多忙な合間を縫ってチベットと中国語の仏教典籍の翻訳も手掛けている。

著書に、「苦こそ人生」「為せば得られる」等がある。

 

ー はじめに ー

偉大なる師·法王ジグメ·プンツォク·リンポチェが円寂され、我々の元を去られてから、既に10年が過ぎました。

師の傍に居た日々は、私の人生の中で最も美しい時間であり、また、最も贅沢な思い出でもありました。師はどこの国に赴いても、どの民族の方々と会われても、仏教の深遠なダルマや、現実の世界を動かしている原理原則を教え、人々に多大な利益をもたらしました。

師は尊厳ある佇まいがありながらも、大言壮語は一切仰りませんでした。常に穏やかで謙虚、そして周囲に温かく接し、和ませておられました。また、師のカリスマ性は、世界中の各分野の名だたるトップ達を凌駕していたと讃えられています。

10年にも及ぶ文化大革命によって、仏教は大きな打撃を受けました。その長く荒廃した時代の中、師はチベット仏教を再興しました。チベットにおいて、最も漢民族の弟子を持った高僧と称されています。

釈迦牟尼仏陀のように、師は仏陀のダルマを説き示すことで人々に利益をもたらし、ダルマを通じて己を知り、この現象の世界、世を通徹する真理を認識させ、悟りに至る道を示されました。200年前のチベット仏教の偉大なるヨーギ·成就者である初代ドドゥプチェン·リンポチェは、「ジグメ·プンツォク·リンポチェと有縁の人々は皆、阿弥陀仏陀の極楽浄土に行くことができる」と予言されています。

1987年から2004年までの間、私は師の中国語の通訳とアテンダントを務めました。残念なことに、様々なカルマの働きによって、この18年の間に師が説かれた教えは、ほんの僅かな記録しか残っていません。

今回、師の円寂十年忌法要にあたり、国内外で師が説法された資料をあらゆる方法で集め、その中からいくつかの内容を抜粋し、中国語に訳し、有縁の皆さまに捧げ たいと思います。あなたが仏教の信者であろうとなかろうと、ここに記された教戒は、あなたに利益をもたらすでしょう。

本書の全ての言葉は、師の金剛語であり、私の個人的な思考は一切混在していません。これは、師の多数の弟子が証言できます。

本書には鋭い教えもあり、読んだ後にピンと針の筵に座っているように感じる方がおられるかもしれません。しかし、アティーシャ尊者が仰られたように、問題点をハッキリと指し示すことは最も殊勝な教えであり、弟子の過ちを指摘する師匠こそ、最高の師匠であると言えます。深い慈愛があるからこそ、師は厳しく指摘します。一部の人々に対する師の厳しさは、あたかも愛情深い母親が、過ちを犯す一人息子を叱るようなものでした。

この現代において、これほどまで人の心を啓発する教戒を見聞することは難しいと思います。ご縁あって、今ここで目にされる方々が、本書にまとめられた教戒を大切にされんことを。本書が皆さまの未来への不滅の灯とならんことを。

ソダジ著す  2013年11月15日