在家者であろうと、出家した僧侶であろうと、くれぐれも無痴による因果応報の理に反した倒錯した生き方をしないでください。
では、倒錯した生き方とは何でしょうか?例えば、聞·思·修に励まず、頻繁に戒律を破ったり、誓約·三昧耶戒を反故にすること等が当たります。
また、僧侶としてダルマの聞·思·修を怠け、不必要に各地を回って施しを求め、私利私欲を図る。あるいは帰郷して、家族の世事に混って働き、財利を貪る等。
これらは、善悪因果の取捨選択を知らず、誤った行動に走ってしまうという倒錯した生き方です。
私たちのあらゆる苦しみや幸福は、実際には私たち自身が為したカルマによって生み出されています。特に苦しみの根源は貪·瞋·痴の三毒にほかなりません。
ナーガールジュナも「貪·瞋·痴の業及び、それより生じる身口意三業の全ては、不善なるカルマです。一方、己の貪·瞋·痴の無い業及び、それより生じる身口意三業の全ては、善なるカルマです」と説かれています。
私達の日常の言動や思考において、貪·瞋·痴により汚染された行為全てが、不善のカルマとなることを知らねばなりません。
貪·瞋·痴を断った行いが善業であることを知っていただきたいです。それゆえ、力を尽くして貪·瞋·痴を根絶することは、我々にとって非常に重要です。
貪·瞋·痴の三毒から解放されて初めて、真に一時的な安楽と永遠で究極の安楽を得ることができるのです。